さわだむのブログ

個人ブログメディア実験中。関西の教育系NPOスタッフが日常を綴ります。

「アクティブ・トランジション体験会」に参加してきました

昨日、こちらのイベントに参加してきた。

www.tate-lab.net

 

金曜の夜、しかも参加費は2時間で5,000円となかなか強気のお値段。100人定員のところ何人申し込みがあったのかは分からないけど、定員を超えた場合は抽選とのこと。

さすがは東大中原先生チーム主催、会場は満員。

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そもそも、「アクティブ・トランジション」とは

1)「教育機関を終え、仕事をしはじめるようにしている人々が、働き始める前に、
仕事や組織のリアルをアクティブに体感し、働くことの準備をなすこと」、その結果として、
2)教育機関から仕事領域への円滑な移行(トランジション)を果たすこと

 という概念。(上記リンクより引用)

 

大学生の一般的な行動に当てはめると、ちゃんと就職活動をして、内定をもらって、内定先に入社してそこでうまいことやれるようになる、ということ。(もちろん起業したり職人になったり役者になったり色んな道はあるのだけど、最も多い行動のパターンとして)

 

イベントは、書籍「アクティブ・トランジション」の紹介と共に、その中での研究知見をもとに生まれたワークショップの体験、中原先生のお話、参加者とのダイアログという構成で、あっという間の2時間だった。

 

イベントそのものも面白かったし、体験したワークショップはまた今後使えるなと思ったし、書籍掲載の論文についても非常に興味深いのでこれから読もうとは思うのだけど、昨日の一番の収穫は、この分野自体に自分がとても興味を持っている、ということを思い出せたことだった。

 

 

そもそも、自分が何で今の仕事についたのか。

中学から高校、大学に入るまでは、それなりに勉強もできたし、大きな挫折もなく、志望していた進路に進むことができた。働くイメージは全くなかったけど、就活も、何となくいけるだろうと、何の根拠もなく思っていた。

 

でも、現実は違った。

当時、リーマン・ショックが起こる前、団塊世代が退職する時期に差し掛かり、就職氷河期が終わって売り手市場となっていた頃。

周りはみんなゴールデンウイーク頃には就職が決まっている中、私は夏休みに入っても内定が一つももらえなかった。

 

今思えば当たり前のことだった。

やりたいと思える仕事も、自分が思い描く理想も、社会の中で生き抜く武器(強み)も、それを磨くための行動も、何もなかった自分。そして多少なりともあるものをうまく見せようとする就活スキルも持ち合わせていなかった自分。

そりゃあ、まぁまぁの大学出てても、どこの企業も欲しくないよなぁ。

 

「自分は社会から必要とされていない」と感じていた。

今思い出しても、この時期は、結構病んでたなぁと思う。

 

結局、12月にようやく、とある中小企業から内定をもらうことができた。そしてその会社でも色々あったけど、5年半勤めることができ、紆余曲折を経て今がある。

今は、学生時代のことも、その後の社会人生活のことも、その経験があったから今があるって思える。

 

 

でも、

  • 大学(学部)を選ぶときに、もう少し職業と学ぶ内容を結びつけることができていたら。
  • 就職を見据えて、学生生活の過ごし方を考えることができていたら。
  • そして、そういったことを誰か大人に相談できていたら。

東京タラレバ娘」じゃないけど、そう思うことはある。

 

だから、できれば学生のうちから、あるいは高校生のうちから、もっと早い時期から。

社会のこと、仕事のこと、働くということについて考えたり、その中での自分について考えてみたり、誰かと話したり。

そんな機会があったらいいのに、そしてそれを作る仕事があるなら挑戦してみたい。

そう思って、今の仕事に就いたんだった。

 

ただ、今の仕事としては、トランジションそのものを扱うのとは違っていて、教育や若者のチャレンジを通した企業の経営革新、地域のコミュニティづくりや課題解決、といったところなので、分野としてはワークショップデザインとかファシリテーションとか、あるいはマーケティングや企業の経営戦略とか、トランジション系(?)でいうとキャリアデザインとか人材育成とか、もはや専門性とは?ってくらい多岐に渡っているので、自分にとっての中心を少し見失っていたのかもしれない。

忘れていたつもりはなかったけど、でも、昨日、改めて思い出すことが出来た。

 

 

ちなみに、2020年には500万人以上の人材が不足するらしい。

一億総活躍」っていうのはちょっと違和感あるけど、でも、それなりにちゃんとみんな働かないと貧しくなる一方だろうし、どうせ働くなら楽しくイキイキと働ける方が良いと思う。そのためにも「アクティブ・トランジション」(中原先生いわく"世直し"!)を進めるため、大学側も企業側もお互いができることを増やしていけるよう、そのお手伝いをしていきたい。

 

 

 ▼イベントで紹介&販売されていた書籍

アクティブ・トランジションに関する論文とそのダイジェスト、その研究知見を活かしたワークショップのプログラムが詳細に紹介されていて、お値段は張るけどそれに見合う内容なので、興味のある方はぜひ。

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ

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